ブロードリーフは東京証券取引所プライム市場に上場している企業で、SaaS型モビリティ産業向けクラウドサービスの開発、提供を行っています。
投資家からも注目されており、Yahoo!ファイナンスなどのファイナンス系の掲示板でも頻繁に書き込みされています。
この記事ではそもそもブロードリーフがどのような会社で、どのような事業を行っているのか、掲示板に書き込まれている書き込みは本当なのかといった点について記載していきます。
会社概要
ブロードリーフは2005年に創業、2009年に設立され、現在はプライム市場に上場しています。2022年12月末時点での従業員数は950人で、全国に27拠点を展開しています。
詳細は以下表でご確認ください。
事業内容ブロードリーフは、SaaS(Software as a Service)やマーケットプレイスなどの企業向けクラウドサービス開発・提供を行っています。 カーディーラーや自動車整備業車などのモビリティ産業の事業者向けはSaaSやマーケットプレイスなどのクラウドサービスを、モビリティ産業以外の事業者向けには業種別業務システムや作業分析ソフトウェアといったパッケージシステムの販売・提供を行っています。 業績は好調!?ブロードリーフは投資家からの注目度も高く、ファイナンス系掲示板であるYahoo!ファイナンスでさまざまな書き込みがされています。 その中には「業績が悪い」といったネガティブな書き込みがある一方で「売上計上基準が変わっただけ」といった書き込みもあります。 なにが本当なのでしょうか。IR情報を参考に検証していきます。 まず、IR情報を見るとブロードリーフの直近3年間の業績は以下のように推移しており、売上高が急に落ち込んでいます。 これまでは200億円ほどでしたが、2022年12月期においては140億円ほどに減少しており、利益もなくなっています。 「業績が悪い」との口コミがありましたが、売上や利益を見るとたしかにそのように見受けられますね。 ※単位:百万円
一方で「売上計上基準が変わっただけ」との書き込みもありました。これは一体どういうことなのでしょうか? 売上と利益だけで単純に判断するのではなく、もう少し詳しく見ていく必要がありそうですね。 まず、以下の2022年2月9日にリリースされた「中期経営計画(2022–2028)策定のお知らせ」の業績計画を見てみると、主力商品を「複数年分一括計上方式のパッケージスステム」から「月額計上方式のクラウドサービス」に変更したことによる一時的な売上減少であり、2023年12月期以降は回復見込みであるとの趣旨の記載がありました。
参照元:https://www.broadleaf.co.jp/company/press/press_detail/?itemid=257&dispmid=1002 この内容についてはブロードリーフの収益モデルが関わっていますが、まとまっているページがありましたので、一部抜粋しながら説明します。 以下ではクラウドサービスやパッケージシステムの収益の仕組みが書かれていますが、パッケージシステムの業種別業務システムにおいては複数年分の売上を一括で計上しているという特徴があります。 そのため、主力商品がパッケージシステムからクラウドサービスに移行した場合、これまでまとまって計上されていた売上が一括では計上されなくなり、未来に計上されるようになるため、一時的に売上が下がったように見えるものかと思います。 実際には事業が不調で業績が悪化したのではなく、主力商品の移行により、売上計上基準が異なるため一時的に売上が減少しただけであると言えるでしょう。 実際に先程の「中期経営計画(2022–2028)策定のお知らせ」では、「2023年12月期以降の連結売上収益は前期比で増収に転じる見通し」と記載されています。
※参照元:https://www.broadleaf.co.jp/ir/management/business/ Yahoo!ファイナンスでも投資家と思われるユーザーから以下のような書き込みがありますので、IR情報などを元に実態を把握している投資家もいるようです。 売上、利益が減少すると一見、業績が悪化したかのように感じてしまいますが、まずは売上減少の背景についてしっかりと確認していくことが大事ですね。
参照元:https://finance.yahoo.co.jp/cm/message/1003673/3673 株主優待廃止はなぜ?株主への利益還元を優先するためYahoo!ファイナンスを見ていくと株主優待の廃止について、一部ネガティブな書き込みがありました。近年、株主優待を廃止する企業も多いかと思いますので、廃止に至った理由を推察していきます。 IR情報から2022年11月のリリースを見ると以下記載があります。
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この内容を見ると、株主への利益還元を重要課題としており、その一環としての株主優待の廃止であることが分かります。
株主優待があると嬉しい気持ちも分かりますが、長期的には、企業価値の向上によってもたらされる配当や株価の上昇に期待したいと考える投資家もいるのではないでしょうか。
実際にYahoo!ファイナンスでも、以下のような投稿もあります。
※一部抜粋
頑張って株価を上げて欲しい。
また、株主優待は海外の機関投資家がメリットを享受できないなど、平等性に欠く可能性もあるかと思います。
ちなみに、株主優待名人として有名な個人投資家の桐谷さんからもブロードリーフの株について、好意的なコメントがあります。
※一部抜粋
ブロードリーフなんて、お得すぎて心配になってくるほど。探せば、まだまだ割安な銘柄はあるんです。
参照元:https://twitter.com/kiritani1015_49/status/1601725912692981760
桐谷さんは株主優待をうまく活用して日常生活で現金をほとんど使わない個人投資家で有名です。
現在では「ダイヤモンドZAi」や「日経マネー」などの財テク関連の雑誌に登場しています。
まとめ
プライム上場企業で投資家からも注目されているブロードリーフについて、基本的な会社概要の紹介やファイナンス掲示板の書き込み内容の検証を行ってまいりました。
掲示板は匿名で誰でも書き込まれるため、真偽不明な内容が多くありますが、企業が公表しているIR情報などを元に検証することで実態が分かってきます。
ブロードリーフについては業績も好調で株主優待の廃止も株主への利益還元を重要視するからこその決定であることが分かりました。
今後もさまざまな噂や書き込みについて実態を検証していきます。