こんにちは!本日は、グローバルに活躍するアマゾン・ドット・コムの日本法人「アマゾンジャパン合同会社」について調査を行いました。世界全体で15兆円もの売上を誇る巨大企業であり、日本法人だけでも年間売上は1兆円を超えます。
アマゾンジャパン合同会社は、アメリカ合衆国で発祥したAmazon.com,Inc.を母体とする日本法人です。その歴史と沿革は比較的新しく、Amazon.com社は1994年に設立されました。4年後の1998年に日本法人のアマゾンジャパン合同会社が設立され、Amazon.co.jpを2000年から運営することを主な活動としています。
開設された当初から活動内容はECサイトの運営をメインとしており、その姿勢は現在でも変化はありませんが、電子書籍を取り扱ったり、オリジナルビデオを作製して販売するなど、サービスは年々多様化しています。
アマゾンジャパンは、2016年に株式会社から合同会社に変更しました。そもそも株式会社と合同会社って何が違うのか?なぜ合同会社に変更したのか?アマゾンジャパンを例にその仕組について解説します。合わせて、アマゾンジャパンの内情についてもまとめました。
株式会社と合同会社の違い、それぞれのメリット
では、まずアマゾンジャパンの話をする前に、「株式会社と合同会社の違い」について説明します。
「合同会社」の主なメリットは、①設立時の登録免許税が安いこと。②役員の任期がないことの2点です。①に関しては、合同会社の設立時の登録免許税が6万円なのに対し、株式会社は15万円です。会社の設立時は資金がかかるため、少しでも節約したいなら合同会社を選択した方が安いです。
また、②に関してですが、株式会社は「株式の譲渡制限がある場合、役員の任期は最大10年」と決まっています。しかし合同会社にはそのようなルールはありません。
次に、「合同会社」の主なデメリットについて説明します。世の中の会社のうち、「合同会社」よりも「株式会社」の方が圧倒的に多いです。これは一体なぜなのか?それは「社会的信用」です。合同会社の最大のデメリットは「株式会社に比べて社会的信用が低い」という点にあります。「合同会社」は家族経営や個人事業などの小規模経営の会社に適した形態です。
言い換えれば、「株式会社」のメリットは社会的信用が高さです。社外的な取引をする際に、「合同会社」よりも「株式会社」の方が高い信用が得られます。将来的に株式の上場を目指すのに適した形態ですので、会社を大きくしたい場合は株式会社を選択する方がよいでしょう。
なぜアマゾンジャパンは合同会社に戻ったのか?
2016年5月1日にアマゾンジャパンが株式会社から合同会社に組織変更すると発表した際、日本の経営者達の多くは驚きの声を挙げたと思います。前述の通り、大企業は合同会社よりも株式会社の方がメリットがあります。
しかし、アマゾンジャパンは、売上1兆円を超える巨大企業ですので、たとえ合同会社に変わったとしても社会的信用が低下するリスクはないと睨んだのかもしれません。なぜアマゾンジャパンが合同会社に変えたのか?その理由について独自な見解を記載します。
考えられる理由としては、「合同会社のシンプルさ」と「増資のときの節税対策」の2点だと思います。前述の通り、合同会社は株式会社よりもシンプルです。役員数は株式会社よりも少なくてもよいですし、代表取締役社長を置かなくても問題ありません。
アマゾンジャパンの場合、アメリカ本社は株式会社なので代表取締役社長がいます。日本法人に代表取締役社長を置かなくても問題ないわけです。むしろ、アメリカ本社以外の世界各国に役員が大勢いると、アメリカ本社がやりにくいこともあるのかもしれません。
イメージですが、アマゾンはアメリカ本社に圧倒的な権力があり、日本法人にはさほど発言権があるようには思えません。日本法人に代表取締役社長や大勢の役員を置いたところで、結局アメリカ本社の支持に従うだけなのであれば、役員の数が最小限でも問題ないと考えられたのではないかと思います。
また、「増資のときの節税対策」という点が大きな理由だと思います。増資をするたびに登記で登録免許税がかかります。株式会社の場合、増加する資本金の額に対して7/1,000の登録免許税がかかります。しかし、合同会社の場合は、増資金額の全額を資本剰余金とすることができ、資本金の増加額を0円とすることも認められているのです。
株式会社と合同会社の双方のメリット・デメリットを天秤にかけた結果、アマゾンジャパンは合同会社の方がメリットがあると判断されたのでしょう。
アマゾンジャパンで働く人
Amazonで働く現社員の方や元社員の方の口コミを見ますと、大企業として長らく君臨している企業だけあって、総じてどの口コミサイトでも比較的満足度は高いです。ただ、当然とも言えますが、個人差があり、総じて低く評価するものや悪いとしているコメントなども見受けられます。
Amazonは良くも悪くも外資系っぽさのある企業文化です。ですので、その外資系の社風が日本人には合う人と合わない人にわかれるようです。外資系企業らしさを具体的に言うと、「やる気と能力さえあれば昇進出来る」「性別での差別が少ない」「スピード感があり常に新しいことに挑戦するため変更が多い」「部署間の変更が大きい」などです。
例えば、「性別での差別が少ない」という点に関しては、
「やる気と能力のある人は責任ある仕事を任されてどんどん昇進できます。今まで勤めてきた企業と違って性別を理由に差別されたり冷遇されることはありません。」
というような良い評価がある一方で、
「女性差別や女性蔑視がないという公平性が保たれているという意味では働きやすいが、それは男女間で評価や働き方に違いがないということでもあるので楽ということを意味しないのです。要領よく進めることが出来なければワークライフバランスは保てません。」
という悪い評価もあります。この2つの口コミを書いたのは女性です。出世欲が強いキャリア思考な女性にとっては良い職場ですが、のんびり働きたい女性には仕事と家庭の両立が難しい環境のようです。
「やる気と能力さえあれば昇進出来る」「スピード感があり常に新しいことに挑戦できる」に関しては、
「常に新しいチャレンジがあり、それを通じて成長する機会があります。日本国内だけでなく、海外との連携を通じてグローバルなキャリアを積むことも可能な環境が整っています。人事評価制度は上司だけでなく、メンバーのフィードバックも取り入れる仕組みがあって公平性が高いです。」
「自分の軸を持って将来から逆算して自発的に業務を組み立て、成果につなげる高度な技術や能力が求められます。」
「うまく調整すれば、子育て世代でも問題なく働ける環境になっていると思います。」
などと、外資系のチャレンジ精神を高く評価する一方で、
「マネージメント、部下を教育するという点で汎用化されたものはあるように感じませんでした。指示待ちの人には向かない企業文化だと考えられます。」
などと、評価制度や仕事への取り組み方を懸念する声もあります。これまでのやり方を大事にして変化をあまり望まない人にとっては向かない企業と言えるのかもしれません。良くも悪くも、能力がある程度ないと厳しい会社なのかもしれません。仕事への姿勢はいかにも外資系らしい評価と言えます。キャリア思考の人、自分の実力を試してみたい人には向いていると思います。
サービスへの評価は?
Amazon.co.jpは年々多くのユーザーを獲得していき、今や多くのユーザーを抱える大所帯企業にまで発展しています。その発展ぶりは凄まじく、近年でもアナリストなどに百貨店や大型スーパーの経営を間接的に圧迫していると言えます。
かつて大型スーパーが個人店を圧迫して多くの個人店を廃業に追いやってしまいましたが、今度は大型スーパーがAmazon.co.jpを中心とするECサイト運営会社に取って代わられています。Amazonの売り上げは年々増加しているのと同時に、逆に店舗を運営しているスーパーや百貨店各社の売り上げは減少を続けているのです。
Amazonユーザーが増えれば、よい評判も悪い評判も出てくるのは当然とも考えられます。良い評判は、Amazonの品揃えの良さや配達スピードを高評価するものが目立ちます。一方で悪い評価は、やはり直接見ずに購入するの思い通りの標品ではなかったという点や、配達トラブルに関する意見が多いです。
では具体的に、良い評価と悪い評価の口コミ事例をみてみましょう。
「注文したその日に届いてすぐ利用出来て良かったです。」
「予約していた商品が発売日当日に届いて満足しています。」
「Amazonプライム会員は年会費に比較して受けられるサービスが多様でお得だと思います。」
「とにかく多くの商品を扱っていて、家やメンテナンス業など一部のサービスを除けば概ね何でも手に入る」
「注文した商品が比較的すぐに届く。インターネットをつなぐことが出来る環境さえあればこれまでビデオ屋さんに行って貸し出しを受けてみていたビデオを家や移動中に見ることが出来る。」
などです。
一方の悪い口コミの実例は、
「商品を購入したが説明している文章とは違っている商品が届いた」
「商品の説明が不十分で届くまでに思っていた以上の日数がかかった」
「予約していたはずの商品が何日も経って確保できなかったとキャンセル扱いになっていることが普通にあります。」
「家電の保証が短いので安心出来ません。思っていた以上に商品がすぐに調子悪くなってしまった場合の保証が十分とは言えないと思います。」
「商品説明が非常に少ないものがあり、どのような商品なのかよくわからないです。」
などが挙げられます。
パソコンなどの家電は高額なので、保証がある程度しっかりしていないと少し怖いと感じるのはもっともです。ただ、Amazonもこのあたりは強化していく方針のようで、5年保証サービスや配送および設置サービスを充実させるなどの対応が見られます。口コミなども適宜取り入れているのAmazonらしさとも思われます。
口コミのまとめ
Amazonは、外資系企業らしい実力主義な企業です。ですので、ある程度の能力がないとやっていくのが難しいところなのではないかと考えられます。変化を望まない人やスピード感のある事業展開についていけない人には厳しい会社と言わざるを得ません。
日本特有の年功序列を望む人やワークライフバランスを重視しゆっくりと自分のペースで働きたい人には難しいと思われます。反対にどんどん出世して自分の能力を試したい人や、能力のある人にとっては良い会社だと考えられます。頑張れば「年収1000万円以上稼ぐ人もいる」というのも外資系らしさを感じさせます。
商品やサービスの展開は、年々増加傾向です。便利なサービスも多数開発され展開されており、多くの利用者を満足させています。しかし、配達トラブルも多く、まだまだ懸念事項もあります。Amazonでは自社の商品だけでなく、他社の商品も多数扱っており、それらの商品の説明が十分でないといった意見や、保証が十分でないといった意見が存在します。
安く多くの商品を早く手に入れられるようになっていますが、全ての商品が手に取って確かめることが出来るわけではないので、もう少し説明を充実させるべきだと思います。
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