芸人6000人超え!お笑いを軸にした総合エンターテイメント企業「吉本興業」

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今回の「企業の評判DB」は、数々の人気お笑い芸人を輩出し続ける『吉本興業株式会社』について調査しました。

『吉本興業』といえば、明石家さんまやダウンタウンなど多くの人気芸能人が所属しており、知名度は非常に高い会社です。しかし、「吉本興業ってどんな会社?」と聞かれると、よくわからないのではないでしょうか?やはり芸能事務所というのは、メインが芸能人なので、裏方として会社で働く社員についてはベールに包まれているものです。

今回は、『吉本興業』の所属芸能人ではなく、会社と社員にスポットを当てて調査をしました。

 

吉本興業の歴史と概要

吉本興業は、東京と大阪に本部を置く、社員644名と所属タレント約6,000名という大手芸能プロダクションです。タレントの数に対して、社員数が少ないという印象を受けます。そのため、タレントもある程度売れないとマネージャーがつきません。

1912年4月1日に創業。創業当初は寄席経営が中心事業でした。その後、徐々に事業を拡大させ、大正時代には寄席のチェーン化に乗り出します。しかし、昭和の戦禍により劇場の大半を失うことになります。そこで、吉本経営陣は映画を主体にした劇場興行に事業を転換し、軌道修正を図りました。

この劇場興業事業が軌道に乗り、1948年1月7日に株式会社化しました。その後、昭和30年に入ると再び演芸部門を開始し、現在のスタイルが確立されていきます。

現在、吉本芸能プロダクションは「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」に引き継がれ、他にも新規事業やアミューズメント施設の開発・運営の「よしもとデベロップメンツ」、経理・庶務に関する業務の受託の「よしもとアドミニストレーション」など分社化されています。

 

他の芸能プロダクションにない強み

吉本興業の事業内容は多様です。一般的に、芸能事務所の主要事業は所属タレントのマネジメントですが、吉本興業はそれだけに留まりません。マネジメント事業以外にも、タレントや芸人を育成するスクール、漫才や落語などの劇場興行、イベントや興行などの企画・制作・流通・販売、地域の活性化を目的とした活動、日本のエンターテインメントを世界へ発信する活動内容などを行っています。

タレントや芸人を育成するスクールをNSCと言います。NSCの正式名称は吉本総合芸能学院です。新人タレントを育成する目的で1982年に作られた養成所で、大阪校1期生のダウンタウンを始めとして数多くのお笑い芸人を輩出しています。NSCは学生からの受講料で多くの収益を出しています。

実はNSCは創設当初は赤字でした。また、それまでのお笑い芸人のスタイルが「先輩芸人に弟子入りし、先輩のツテで仕事をもらい、下積み時代を経て売れていく。」というものであったため、NSCを毛嫌いする吉本芸人も大勢いたと言われています。

しかし、NSCができたことで、デビューしている芸人が経済的に苦しいにもかかわらず無理に弟子を取る必要がなくなりましたし、新人芸人も煩わしい上下関係を築かなくてよくなったことは大きなメリットだと思います。

NSCの創設は、「世渡り上手は不要!」「ただただ、面白い奴が売れる!」というシンプルな芸能界の構図を作りました。ダウンタウンの『4時ですよーだ』が大人気となり、この番組の放送年(NSC7期生)から入学希望者が飛躍的に増えました。

さらに、吉本興業の大きな強みはテレビ番組の制作です。吉本というと「芸人」のマネジメントが有名ですが、「芸人」以外にも「アイドル」、「俳優」、「文化人」、「アスリート」なども所属しており、幅広いジャンルでタレントを起用できます。人気アイドルグループ『NMB48』も吉本興業所属です。

100年を超える歴史を持つため、番組制作のノウハウも高く、東京と大阪で約80本のレギュラーテレビ番組を制作しています。バラエティ番組だけではなくドラマ・ドキュメンタリー・音楽・映画などジャンルを問わない番組作りをしており、さらに地上波だけではなくBS・CS・マルチメディア放送など多様化する放送形態にも対応しています。

例えば、アマゾンプライムでは吉本興業制作の番組が多くみられます。吉本興業は、芸能人を目指す人だけでなく、番組制作をやりたい人にとってもよい就職先だと思います。

 

吉本の社員の声

では、次に、吉本興業の採用に対する評判を検証します。実際に吉本興業で働く社員や元社員の口コミを調べました。まずは良い評判を幾つか挙げてみたいと思います。

「ここ数年、新しいプロジェクトがたくさん立ち上がっているようです。沖縄はもとより、国内だけにとどまらず、海外、特にアジア方面でも大きく展開しているようです。海外での活躍を望んでる方にとっては、将来性のある会社かもしれません。」

吉本興業はマネジメント以外にも様々な分野に手を広げており、時代に合わせた事業を展開してきています。そのため、今後も時代に合わせた改革をしていくことは予想できます。

「この会社なくして日本のテレビ業界は成り立たないと言っても過言ではないほど、大きな影響力を持っているので、よほどのことがない限りは、会社の経営が傾くことはないかと思います。」

吉本興業のテレビ業界での立ち位置はかなり強いので、安定性と将来性はかなり高い会社であることが分かります。また、知名度もあるのでエンターテインメントを売る会社としては最強とも言えるでしょう。

吉本興業の社長は、吉本興業を「皆さんを笑顔にする会社」と表現しています。吉本興業は、単なる芸能事務所という括りではなく、「総合エンターテインメント企業」という位置づけです。

「笑顔で人々を幸せにすることを目的に、劇場・テレビ・ラジオ・書籍・パッケージソフト・インターネットコンテンツなど、幅広いジャンルに渡って、国内はもとより、アジア、海外で、数多くのチャレンジを続けていく」、社長は吉本興業の存在意義をこのように述べています。あらゆる手段で世界中に笑顔を届けることを目指しています。

吉本興業の事業内容や安定性・将来性には、満足しているという声が殆どでした。仕事を通じて人々に笑いを届けられることにやりがいを感じているのは、芸人だけでなく社員も同じです。

一方で、人手不足、人の入れ替わりが激しいというな声が多くみられました。所属タレント約6000人に対して社員約600名ですから、もし仮にこの600名の社員全員がマネジメントをしたとしても人手が足りません。専属マネージャーがついている芸人はほんの一握りでしょう。マネジメントに携わっている社員は、複数名のタレントを掛け持ちしているケースも珍しくなく、激務であることが伺いしれます。

「入れ替わりがたいへん激しいと聞く。正社員の他に契約社員や派遣社員が大変多く、どんなに優秀でも正社員登用試験に受かるのは難しいらしい。そのため、正社員以外の社員でこの会社に定着できるのは少ないので、入れ替わりが激しい。」

「定着率はすこぶる悪く、一人一人の仕事量が尋常ではない激務に起因する。要は仕事そのものに大きなやりがいを見出している人は激務すらモチベーションに転嫁させられるが、どこかでつまずいた途端一気に仕事や雇用条件に対する不満が爆発する傾向にある。一方でタレントマネジメントを生業にしているだけあり、最低限『人を大切に』という感覚はあり、退職を匂わせる社員や心労で長期休暇を余儀なくされた社員のフォローはきめ細かい。」

契約社員や派遣社員も多いようです。大手なので正社員になれば雇用の安定性はありますが、契約社員や派遣社員だと正社員に比べて待遇は劣るでしょう。

実力はある契約社員や派遣社員だとしても、忙しい毎日に夢を持ち続けるのは並大抵ではないのかもしれません。どんな仕事でも同じですが、モチベーションは仕事を続ける上では重要な要素であり、「給料がいい」というだけでは続けることは難しいでしょう。

しかしながら、使い捨てにされるような会社もある中で、『人を大切に』という精神が根付いているものは社員にとって心強いでしょう。心労による長期休暇のフォローをしてくれるというのは今の日本社会ではあまりないと思いますので、やはり正社員になれば比較的社員に優しい会社なのかもしれません。

 

吉本ファンの声

次に吉本興業への一般の方の口コミをみてみましょう。一般の方の口コミは、演劇興行に関するものが多くあります。演劇興行やお土産などのサービスに対する口コミを確認してみましょう。

「前日にネット予約の状況をみて空き席ありとみて安心し、翌日行ってみると全公演が満席!」

これは、なんばグランド花月のお客さんの口コミです。なんばグランド花月は連日大盛況です。そのため、予約なしでは満席で入れなかったという方もおり、チケット予約は必須として考えておいた方がいいでしょう。

「今回初めて新喜劇を目的に行きました。思っていた以上に新喜劇以外の漫才などのネタも面白く大人から子供まで楽しめました。また行ってみたいスポットです。」

「この手のものは、やはり東京などで見るよりも、大阪で見た方が雰囲気がかんじられていいのではと思います。大阪のノリが感じられる場所です。友人は、ものすごく楽しかったそうです。」

「お土産ショップは大変充実しており、吉本好きにはたまらないと思いますが、勢いで入手しても、日常的に使うのはちょっと…というこてこてなグッズが多かったです。お好きな方にはたまらないと思いますが。」

など、おおむね高評価な口コミが大半でした。吉本興業が国民に愛される会社であることがわかります。なお、吉本のお土産に関しては、使えるかは別としてネタ目的で購入するのもいいのではないでしょうか。

一方でこのような厳しい意見もありました。お笑い芸人は評価されてなんぼですから、「つまらない」という評価も真摯に受け止めないといけませんね。

「最初は下っ端の芸人が3組くらい出て、中盤でベテラン芸人が3組、最後に吉本新喜劇が45分くらいやる。ところが下っ端の芸人の芸はさすがにつまらない。若い女の子はキャーキャーいっているが、意味不明なノリだ。

ベテラン芸人になると、大阪では有名かもしれないが関東では知らない芸人なので大阪の人は満足かもしれないが関東の人はよくわからない。吉本新喜劇がこれも小さい頃から慣れている大阪の人ならいいが、関東の人はついていけぬ。劇場の雰囲気はいいので劇場で買い物しましょう。」

「大阪観光の有名スポットの一つですので、団体のツアー客やおしゃべりなグループ客も多く、会場内が何だか落ち着きません。弁当を食べたりビールなどを飲みながら観覧しているお客さんがかなりいるのも意外でした。おまけに小さい子供が泣き叫んだりしてかなり騒々しい一幕もありました。もっと集中して観覧したかったです。」

大阪と言えば吉本興業、折角なら一度くらいは見ておこうと思う旅行者は多いでしょう。しかし、日頃から芸人をチェックしている根っからのお笑い好きではない限り、本場の笑いを楽しむのが難しいという声もあります。

 

まとめ

大阪は「商売の町」といいますが、吉本興業はそれを象徴する会社でしょう。

戦前、戦時中、戦後という日本の大きな転換期に、その時代に適したエンターテイメント事業を選択し、100年という歴史を築いてきました。そして、それぞれの時代にきちんと結果が出せているため、「適切な判断ができる会社」だといえます。吉本興業の本質が変わることがない限り、将来性のある会社だといえるのではないでしょうか。

お笑い芸人は憧れの職業です。特に関西では「おもしろい」というのはステータスです。子供の頃は、「頭がいい」「顔がカッコいい」という男の子よりも、「おもしろい」男の子の方が人気があります。お笑いの仕事は人を笑顔にし、幸せにする素敵な仕事です。

吉本興業は、お笑い芸人を新人から育成し、売り出し、マネジメントをするノウハウに熟知しています。また、お笑い芸人以外にも幅広いジャンルの芸能人を育てています。マネジメント事業以外にも、番組制作などのエンターテイメント事業も行っていることが強みです。いわば、「幅広いジャンルで世界中の人々を笑顔にする会社」です。

笑いは人の心を救います。今回口コミを調べていてその重要性を改めて実感しました。中には吉本の芸人さんに救われて、今も生きているという口コミもありました。

例えば、「自殺を考えるくらい辛かったけど、テレビである芸人さんをみて大笑いして、明日も頑張ろうと思った」などです。吉本興業の芸人さん、あるいは吉本興業の制作する番組に元気をもらっている人は世界中にいます。筆者自身、吉本興業の1ファンです。

今後も、沢山の人々を笑わせ続けてくれることに陰ながら期待を寄せています。