TATERU(タテル)の株式/株価/IRニュース/評判など

《この記事については、アフィリエイト・取材費の提供等を目的として掲載をしています》


2018年8月31日、IoT・アパートメント事業を手がけるTATERU(タテル)において顧客の預金データを改ざんしていたことが発覚しました。

 

それから約半年が経過しようとしてる今、TATERU(タテル)の現在の財務状況や、今後の株価予想について分析していきたいと思います。

 

最初にお伝えしておきますが、本記事はデイトレーダー向けではありません。

 

報道直後は売買も多かったでしょうが、あくまでも本記事ではTATERU(タテル)の中長期的な成長性について考えていきます。

 

今後TATERU(タテル)に投資を考えている方や、現時点で株を保有しており今後が不安な方に少しでもお役に立てればと思います。

 

 

TATERU(タテル)の証券情報

では早速、株式会社TATERU(タテル)の情報を詳しく見ていきましょう。

TATERU(タテル)の会社概要

社名 株式会社TATERU
TATERU, Inc.
本社所在地 〒150-0001
東京都渋谷区神宮前1-5-8-20F / 21F(受付21F)
設立日 2006年1月23日
資本金 72億7,200万円
上場区分・証券コード 東証一部(証券コード1435)
従業員 505名(連結ベース/正社員/2018年9月末現在)
事業内容 アプリではじめるIoTアパート経営「TATERU Apartment」の開発・運営
不動産投資型クラウドファンディング「TATERU Funding」の企画・運営
子会社 株式会社 Robot Home(IoT事業)
株式会社 TATERU bnb(民泊事業)
株式会社 TATERU Funding(クラウドファンディング事業)
株式会社 インベストオンライン(アパートプラットフォーム事業)
関連会社 株式会社 TRASTA
監査法人 有限責任 あずさ監査法人
免許 建設業許可番号 国土交通大臣許可(般-26)第23374号
宅建業免許番号 国土交通大臣(3)第7533号
不動産特定共同事業許可番号 東京都知事 第100号

TATERU(タテル)の事業内容について

続いてTATERU(タテル)の具体的な事業内容について見ていきましょう。

まずは主力となるTATERU Apartment事業です。

TATERU Apartment事業の特徴は次の5つです。

①土地のマッチングによる在庫圧縮

②アプリではじめるワンストップIoTアパート経営

③マーケティングオートメーションシステムによる新規会員獲得とナーチャリング

④自社開発によるIoTアパート

⑤Land Information Matching からはじまる高い収益性モデル

アパートオーナーにとっては、最新のIoT賃貸住宅を保有しながら、面倒な手続きがなくともアプリ一つでアパートを経営することができます。

 

また入居者にとっては最新のIoT住宅(スマートホーム)が利用できるため、スマホやスマートスピーカーで家電を操作することができる最先端の環境を利用することができます。

 

もちろん、この技術を応用することで窓の開け閉めを自動感知するなどの、セキュリティの向上にも貢献しています。

 

また、TATERU(タテル)は土地のマッチングをしてIoT住宅を建築するので、在庫なしで利益を生み出すことができるビジネスモデルを確立しています。

 

こうした三者にメリットがあるビジネスモデルでここ数年急成長を遂げてきました。

 

他にも、1口1万円から始められる不動産投資(クラウドファンディング)であるTATERU Fundingや、IoTを活用した民泊事業を手がけるTATERU bnbなどの様々な事業を展開している、リアルエステートテック企業です。

 

リアルエステートテックとは?
テクノロジーの力によって、不動産売買、賃貸、投資の新しい仕組みを生み出したり、従来の商慣習を変えようという取り組みのことで、特にIT技術やIoT技術に注目が集まっています。

 

TATERU(タテル)の最新株価について

それでは次に最新の株価情報です。

(引用元:Yahoo!ファイナンス)

記事執筆時点(2019年2月)では、1株300円~340円前後で取引されているようです。

 

リアルタイムの株価を確認したい方は引用元のYahoo!ファイナンスを確認してみてください。

 

この記事では引き続き、TATERU(タテル)の中長期的な株価の推移について予想していきます。

 

TATERU(タテル)の各種参考指標(時価総額、PER、PBRなど)

 

続いてはTATERU(タテル)のPERやPBRなどの参考指標について確認していきましょう。

時価総額 26,630百万円(記事執筆時点)
発行済株式数 88,767,000株(2019/02/06)
配当利回り(会社予想) 3.33%(記事執筆時点)
1株配当(会社予想) 10.00(2018/12)
PER(会社予想) (連) 7.39倍(記事執筆時点)
PBR(実績) (連) 1.06倍(記事執筆時点)
EPS(会社予想) (連) 40.62(2018/12)
BPS(実績) (連) 283.22(2017/12)
最低購入代金 30,000(記事執筆時点)
単元株数 100株
年初来高値 2,549(2018/04/03)
年初来安値 288(2019/01/04)

(引用元:Yahoo!ファイナンス

 

PBR(株価純資産倍率)は、現在の株価と会社の純資産を比較した際に、株価が割高か割安かを判断する指標です。

 

もし、PBRが1倍の時に会社が解散した場合、株主の手元に残る金額は株価とイコールになります。

 

つまり損も得もしない状態です。一方で、PBRが1倍以上であれば割高となりますから、手元に残る金額は株価よりも高くなります。(あくまで、会社が解散した場合だということをお忘れなく。)

 

すなわち、PBRは1倍未満のときは割安だと判断されるため、投資家にとっては買いのタイミングであることを示すわけですが、逆に割高だからといって投資家にとってメリットがない状態かと言えば、そうではありません。

 

PBRが1倍未満であるということは、裏を返せば会社経営がうまくいっていない可能性があることを示唆しています。(リーマンショック時のような特殊なケースを除いて)

 

ですので、TATERU(タテル)は現在1倍前後のPBRを確保しているので、現時点においては無難な経営をすることができている、と投資家から判断されているということになるでしょう。

 

続いてPER(株価収益率)ですが、これは日々刻々と変化する株価と、会社が定期的に発表する決算予想に基づく当期純利益から計算されていますから、あくまで参考指標の一つでしかないことを念頭に置いてください。

 

PERは20倍が目安だとされますので、現在は割安状態なのですが、これも2018年12月に発表された業績予想と株価に基づくものです。

 

実績が大幅に予想と乖離があった場合、この参考指標は全くあてになりません。

 

市況を詳しく解説してくださることで有名なにこそく(市況民)さんも日々の市況に応じてはPERで予想することを警告することもあります

 

「じゃあ、どうやって判断すればいいんだ?」

 

そう考える皆さんもいらっしゃるでしょう。重要なのは中長期的なビジョンでその会社の価値を判断することです。参考指標はあくまで『参考』でしかありませんから。

 

TATERU(タテル)の今後の株価の変動予想については後述するので、まずはTATERU(タテル)の中長期的な業績の予想を考えていきましょう。

 

TATERU(タテル)の最新IR情報

 

それでは少し腰を据えて、これまでのTATERU(タテル)の業績について深掘りしていきましょう。

 

昨年末(2018年9月)に発覚した預金データ改ざん問題についても詳しく触れていきます。

 

直近数年の業績推移

 

こちらはTATERU(タテル)の四半期ごとの売上高の推移です。

 

2018年9月に預金データ改ざんの問題が報道されていますから、2018年12月期第3四半期の売上高が落ちていますが、基本的には右肩上がりを続けている成長企業です。

 

続いて、通期の業績予想です。2018年11月12日に業績の下方修正に関するリリースを出しています。

 

本件(預金データ改ざん問題)の影響により、TATERU Apartment 事業におきましては、顧客からの受注の取消しや工事の進捗悪化による引渡の遅延が発生していることから、当連結事業年度において当初計画をしておりました約900 棟の引渡しに対し、約 180 棟数の引渡しの減少を見込んでおります。また、TATERU Funding 事業におきましては、平成 30 年 10 月以降の新規のファンドの組成を停止しております。

出典元:通期連結業績予想の修正に関するお知らせ – TATERU(タテル)IRニュース

 

下方修正の要因としては、受注取り消しや、受注後の引き渡しの遅延が影響しているとされています。

 

また好調だったTATERU Funding(タテルファンディング)の新規ファンドの募集も停止していますから、利益にもたらす影響は小さくないと言えるでしょう。

 

一方で、2018年12月期第2四半期の売上高が好調であったことから、通期を通しては増収減益(黒字決算)となる見込みとのことです。

 

預金データ改ざん問題と会社側の対応について

 

TATERU(タテル)の今後を予想する上で、この問題は避けて通れません。

 

まずは簡単に時系列をまとめてみましたので、一緒に振り返ってみましょう。

 

2018年8月31日 日経新聞がTATERU(タテル)の預金データ改ざんについて報道(参考記事:アパート融資資料改ざん、TATERUでも

TATERU(タテル)はその日に報道が事実であると認め、同様の改ざんがないか調査をする旨をコメント(参考記事:本日の一部報道について

2018年9月4日 TATERU(タテル)は独自の社内調査とは別に、専門家を交えた第三者委員会においても調査をすることを発表。4人の弁護士と社外取締役から構成される第三者委員会を設置。(参考記事:特別調査委員会の設置に関するお知らせ
2018年9月10日 資産効率の向上および財務体質の強化を図るため、投資有価証券の一部を売却し、特別利益として計上。(参考記事:投資有価証券売却益(特別利益)の計上に関するお知らせ
2018年09月14日 報道直後から行っていた社内調査について報告。改ざんが営業部内で行われていたことから、再発防止策として、業務フローの変更などを発表。融資資料の授受に関しては独立した事務課が担当することに。(参考記事:当社従業員による不適切行為に対する再発防止策に関するお知らせ
2018年11月12日 通期連結業績の下方修正について発表。当初予想と比較して、売上高約-5.7%、営業利益約-57%、経常利益約-59%となり、増収増益の予想から増収減益の予想に変更。(参考記事:通期連結業績予想の修正に関するお知らせ
2018年12月27日 第三者委員会の調査結果報告書が公表。改ざんは営業部内において特に営業部長を中心に行われていたとされ、営業部の責任者である取締役1名の辞任と、他の経営陣の役員報酬減額が発表された。(参考記事:役員報酬の減額及び取締役の辞任に関するお知らせ

 

第三者委員会の調査結果報告書を読んでいると、TATERU(タテル)における預金データ改ざんは経営陣が経済動向などの各種データを分析した上で作成した営業目標を、営業本部長を中心とする営業部がノルマとして捉えてしまい、営業目標を達成するために改ざんに手を染めていたことが詳細に分析されています。

 

このような企業風土を変えることができなかった経営陣には大きな責任がありますが、今回の一件は昨今話題になっているスルガ銀行・かぼちゃの馬車などとは全く性質が異なり、組織ぐるみ、会社単位での改ざんではなかったことが判明しています。

 

直近の株価の推移からも分かるように、今回の調査結果報告書を受けて、株価が大幅に下落することはなく、投資家は冷静に今回の一件を見ているようです。

 

TATERU(タテル)の株価予想

 

では、実際に今後の株価がどうなっていくのか、各メディアの予想を見ていきましょう。

 

Yahoo!ファイナンスの株価予想

決算は前回の修正通り、黒字着地だと予想してます。
売上で200億弱積み上げて、経常で5億取れば良いだけなので、余程仕入れを失敗していなければ余裕でクリア出来ると思います。

懸念されるのは、工事の遅延と、買い戻しやキャンセル分の仕入価格。

現金が増えていて、棚卸不動産の減り具合に異常がない。受注残高が増えている等の兆しが見えれば安心できますね。

2019年2月6日投稿 – Yahoo!ファイナンス

 

 

TATERUと他の悪徳企業の悪徳比べをしてもしょうがないですが、TATERUは改竄だけであり、欠陥アパートを売り付けるような詐欺商法はしていないです。従って顧客の満足度は格段に違います。
但し、今後の銀行借り入れについては会社から情報が無いので、心配です。
しかし、今、民泊用建物に手を拡げているようなので、物件と借り入れ者がきちんとしていたら銀行の融資には問題無さそうです。
まぁ勝手のような勢いを取り戻すことは無いと思いますが、ある程度の立ち直りは早いかも知れません。
ホールドします。

2019年2月6日投稿 – Yahoo!ファイナンス

 

スルガ銀行やかぼちゃの馬車と比較すると、深刻な問題ではないことを冷静に判断する投資家がいる一方で、今後の成長については、受注残高が増えていくことによって徐々に信頼を取り戻せるだろうと冷静に予測しています。

 

QUICKスコアを確認してファンダメンタルズ分析

さて、テクニカルな分析も重要ですが、ここではファンダメンタルズ分析を活用しながらTATERU(タテル)の今後を予想したいと思います。

 

ファンダメンタルズ分析とは?
ファンダメンタルズ分析は、財務状況や業績をもとに、企業の本質的な価値を分析する方法です。会社の価値に対して株価が割安か、今後の成長が見込めるかを分析することで投資判断の手助けとします。

 

TATERU(タテル)のQUICKスコア

引用元:QUICK Money World – マーケット・金融・投資

 

証券価値をファンダメンタルズから分析してみると、同業種と比較して一時的に成長性は下がっているものの、収益性の高さに驚かされます

 

スルガ銀行のQUICKスコア

 

せっかくなので、スルガ銀行のQUICKスコアも見てみましょう。

 

引用元:QUICK Money World – マーケット・金融・投資

 

成長性が下がっているのは同じですが、収益力が下がっているため、今後の成長にはあまり期待できないことが分かると思います。

 

TATERU(タテル)のビジネスモデルは無在庫でIoTを活用した、リスクが少ない事業です。その分、キャッシュも生まれやすく足元の収益性はかなり優秀であるということを示しているのでしょう。

 

当然、テクニカル分析を行うと細かい利ざやを稼ごうとするデイトレーダー等が多く、流動性が高いことから短期的なチャートの魅力は薄いでしょう。

 

中長期的な視野に立つことで、TATERU(タテル)の株にはまだまだ期待ができることが分かります。

 

TATERU(タテル)の今後のIRスケジュール

 

これまでTATERU(タテル)の今後の業績について予想してきました。

 

最後にTATERU(タテル)が今後控えている重要なIRのスケジュールをまとめておきます。

 

2019年2月 2018年3月期 通期決算発表
2019年3月 定時株主総会
2019年5月 2019年3月期 第1四半期決算発表
2019年8月 2019年3月期 第2四半期決算発表
2019年11月 2019年3月期 第3四半期決算発表

引用元:TATERU(タテル)IRカレンダー

 

まずは2月に控える通期決算の発表ですね。

 

TATERU(タテル)は既にデータ改ざんを未然に防止するシステムを開発中

 

ふと、こんなIRも発見しました。

 

株式会社TATERU(本社:東京都渋谷区/代表取締役CEO:古木大咲/証券コード:1435、以下当社)は、ブロックチェーン技術を活用したソリューションを開発・提供するDiginex Limited(本社:香港/CEO:Richard Byworth 、以下Diginex)と「データ改ざん防止システム」の共同開発を開始しましたので、お知らせいたします。

引用元:ブロックチェーン技術を活用したソリューションを開発・提供する Diginexと「データ改ざん防止システム」の共同開発を開始 – TATERU(タテル)プレスリリース

 

「な、なんと?!で、データ改ざん防止システム?!」

 

どうやら今回の一件をシステムで防止できるように開発を進めているようです。

 

この発想には正直驚かされました。

 

普通であれば業務フローの改善などで、再発は防止できるものだろうと思いますが、よくよく考えれば最後は属人的で人に頼らざるを得ない部分があるのは事実です。

 

今回の改ざん防止システムは実は同業他社や他業界においても必要とされているシステムかもしれません。

 

ピンチをチャンスに変えることができるか、投資をする身としてはどうしても応援したくなってしまうところです。

 

今後もTATERU(タテル)が今回の一件について十分な再発防止策を着実に実行していき、投資家に向けて明確な中長期的ビジョンを打ち出すことができれば復活する日も近いと思います。

 

 

また新しい情報があったら追記していく予定ですので、お楽しみに。