みなさん、こんにちは。本日は東京ガスについて取り上げます。暮らしに欠かせない都市ガスを24時間365日供給し続けるために、東京ガスがどんなことに取り組んでいるのかをまとめました。
東京ガスの歴史~灯りから燃料へ~
東京ガスの事業内容は、その名の通り、ガスの提供です。ガスは長い歴史の中で、灯りから燃料や暖房へと役割が変化しました。
日本で初めてガス事業が始まったのが、1872年。1872年に横浜馬車通りのガス灯が始まりです。当時は官営事業として行われていました。
それから十数年後の1885年10月に、そのころのガス事業の局長らが中心に、東京ガス株式会社の元となる「東京ガス会社」を設立しました。明治時代後期以降は、明かりとしての利用はガス灯から電灯に変わっていきました。歴史の移り変わりとともに、ガスは暖房や燃料として使われるようになっていきます。東京ガスでは一般家庭へのガス普及を目指して炊事器具の開発を行い、大正時代にはお風呂やストーブ、アイロンなどでも利用できるようになりました。
設立から130年余りの沿革を経て、現在では関東エリア一体にガスを提供する巨大なエネルギー企業となりました。会社概要によると、平成29年では社員数8000人超、売上高1,5兆円、契約数1100万件となっています。
東京ガスの事業内容
東京ガスでは長年の経験によって積み重ねられたエンジニアリング力とブランド力を強みに、ガス自由化にともなって離脱される顧客の囲い込みを行っています。
昔から海外のさまざまな拠点から液化天然ガスなどのエネルギー資源を輸入しているため、石油のように限られた地域でしか産出されないエネルギー資源と比べ、リスクを抑えて材料を搬入することができる経路を確保しています。液化天然ガスは世界中の様々な地域に分布しているため、確保が比較的容易であり、顧客の需要に合わせて輸入することが可能なのです。
電力自由化以降は電力ビジネスにも力を入れてきています。またガスは石油と比較してもクリーンなエネルギーですが、地球温暖化防止をするために環境・社会貢献活動にも力を入れており、その活動内容は森林保全や災害時プログラムの提供、防災訓練、ガスミュージアム、料理教室など多岐にわたります。
社員からの評判
東京ガスが日本でも有数のエネルギー企業のため、企業へ就職を希望する人の数も多くなっています。口コミや評判も非常に多く寄せられているため、良い口コミにしろ悪い口コミにしろ、参考にできるデータは数多くあります。
東京ガスの利点は長い歴史の中で培われた社風が活きている点でしょう。インフラ事業では不祥事を起こしてしまうと一気にイメージが悪くなってしまい、顧客が離れてしまいます。ガスが自由化された現在では簡単に顧客が離れてしまうため、小さなミスも許されない環境となっており、安全を第一に考えた営業がされています。地域に住んでいる人の生活を支えているという意識を持つことができる点が東京ガスでの仕事のやりがいと考えている人もいます。
就職するにあたって気になるのが、給料や残業に関する決まりです。残業代に関しては適正に支払われており、なるべく残業はしないように会社でも勧めています。特に残業に関しては会社側と組合側で厳しく管理しており、残業が発生した場合はお金で反映されます。社員の健康やメンタルケアにも力を入れているため、残業が続いた場合はケアを受けることが可能ですが、そのように多くの残業が発生するようなことはほとんどなく、普通に仕事をこなしていれば定時で帰ることができます。大手の企業ですので給与水準も他の業種と比較すると高くなっています。ただし外部へ出向する場合は出向先の基準で査定されるため、配属先次第では望み通りにならないこともあります。契約社員や派遣のように非正規社員の場合は昇級があまりない人もおり、成果によって上がるとの声もあります。
東京ガスはインフラ大手として毎月安定した収入基盤を持っています。そのため社員の中には刺激が足りず、やりがいを見いだせなくなってしまう人もいます。残業の少なさや業務自体の少なさから向上心が薄れていってしまい、将来的に不安を感じることがあるのです。社風としてもゆっくりした雰囲気があり、頑張りが直接会社に評価されにくいと感じている人もいるため、バリバリ働きたいと思っている人やスキルを身に付けてステップアップをしていきたいと考えている人にはやや仕事不足な面があります。堅実にコツコツと仕事をしていきたい人や将来転職をせずに会社と社会に貢献したいと考えている人にとっては良い職場でしょう。
東京ガスの福利厚生はあまり充実しているとは言えないようですが、社内は清潔に保たれており、空気清浄機、喫煙ルームの完備、ごみの分別など基本的な部分に関しては問題がないようです。有給は理由を問われず消化することが可能で、上司の確認さえとってあれば好きに取ることができます。
サービスへの評判
東京ガスの口コミや評判は電力切り替えに関するものが非常に多くあります。切り替え数も断トツの1位となっており、地方の電力会社の契約数すら抜いてきています。
東京ガスの電気の特徴はガスと契約を一体化させることによって、従来の光熱費を下げることができる点です。一般家庭向けに「ずっとも電気1」、電力使用量の多い家庭や事業所向けに「ずっとも電気2」、コンビニや工場向けに「ずっとも電気3」があります。東京ガスを利用していない人でも電気だけの契約をすることも可能です。
インフラの自由化で各社さまざまなサービスを展開しています。東京ガスの場合は毎月の電気代1000円につき15ポイントのパッチョポイントが付与され、そのポイントは様々な汎用ポイントサービスへ等価交換が可能で、実質割引を受けているのと同じ効果を得ることができます。電力切り替えを行った人の多くは地道ながら節約効果を体感できている人も多く、特にトラブルを起こすことなく利用できているようです。また、いつ解約しても違約金がかからない点も評価されており、気軽に電力切り替えをすることが可能です。ただし利用している電気料や契約アンペア数によっては料金が安くならないこともあります。
「くらしの安心サービス」というものも評価を得ており、このサービスではカギをなくしてしまった場合やトイレが詰まってしまった場合、ガラスが割れてしまった場合でも東京ガスの指定されたコールセンターに連絡することで、業者の仲介を行ってもらえ、暮らしのサポートをしてもらうことができます。
東京ガスはインターネット回線の提供をする「光コラボ」事業者です。ネット回線も東京ガスに切り替えることでさらに割引ができるトリプル割りを適用できることもあります。対応しているプロバイダーは7社あります。
東京電力が東日本大震災で不祥事を起こす中、東京ガスは堅実にその信用を勝ち取ってきました。東京円力が多額の賠償を一般家庭の電気料金に上乗せされる中、東京ガスは企業努力によってガス料金の引き下げを行ったのです。これは円高による調達コストの削減や液化天然ガスそのものの価格の下落による影響が最も多かったのですが、現在でも東京ガスは為替レートに合わせて比較的短いスパンで価格の見直しを行っています。その透明性を高めるために東京ガスのホームページでも原料費調整制度を公開しており、ガス価格の計算方法を掲載しています。
総括
東京ガスを高く評価している人は、一般顧客、社員、就職を希望する人の中にも非常に多く、透明性の高い企業と言えます。特に電力自由化、光コラボなどの登場によってより身近な企業となったことから、一般顧客の口コミ数が伸びています。しかし中には切り替えがスムーズにできずに不満を持ってしまった人や、切り替えてもさほど安くならずに不満を持ってしまった人もいます。東京ガスの電力はすべての人が必ずしも安くなるわけではありませんので、必ずシミュレーションをして安くなるのか確認をしてから切り替えるようにしましょう。また、商品概要をしっかりと確認しておくことや、今使っている契約内容を把握することも大切です。
働く環境としても人気がありますが、仕事に対する価値観は人それぞれですので、就職を希望する場合は何をしたいのか、どういう職場を理想とするのか明確化しておくことが大切です。古い企業のため体制が整っており、新しいことにどんどん挑戦できるような職場ではありません。高い向上心を持って仕事に取り組むような人には、少しやりがいが感じられないこともあります。安定した収入で安定した生活をしたいのであれば、東京ガスは良い企業と言えるでしょう。