世界に通用する製品を!オリンパスの他社にはできない”核”となる技術力

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こんにちは!本日は、大手光学機器・電子機器メーカー『オリンパス株式会社』について調べてみました。オリンパスは、2018年11月1日にタイに東南アジア初の旗艦店を開業したことでもわかるように、業績が好調な会社である。

オリンパス、東南アジア初の旗艦店を開業

オリンパスは1日、タイのバンコク中心部にある商業施設「セントラル・ワールド(CW)」に東南アジア初の旗艦店となる「オリンパス・ストア・バイ・ビッグカメラ」を開業した。 タイでカメラ専門店「ビッグカメラ」などを展開する地場ビッグカメラ・コーポレーションと提携したのだ。

オリンパスのコーポレートスローガンは、「Your Vision, Our Future.」。私達の未来を明るくするようなオリンパスの事業展開についてまとめます。

 

会社概要

オリンパスは、日本の光学機器・電子機器の大手メーカーです。医療・科学・映像の3つの事業分野において製品を製造・販売しています。

医療分野では主に内視鏡を、科学分野では顕微鏡、映像分野ではデジタルカメラや小型録音機などを手掛けています。特に内視鏡分野では、なんと世界シェアの約75%を誇っています。

オリンパスの歴史は古く、大正時代から始まっています。1919年(大正8年)に山下長がオリンパスの前身となる「高千穂製作所」として創業したことが始まりです。関東大震災や太平洋戦争という社会的にも経済的にも過酷な時代に、創業者の山下長は顕微鏡や体温計などの製造販売を始めたのです。

輸入品に対抗できる国産顕微鏡製造を目標に掲げ、試行錯誤を繰り返した。そして、輸入品と比べて遜色ない国産顕微鏡『昭和号(GK鏡基)』の開発に成功するのです。国産奨励政策の後押しもあり、金属顕微鏡『MC』・写真レンズ『瑞光(ズイコー)』・日本国内初のカメラ『セミオリンパス』など、外国製品に引けを取らない世界最高レベルの商品を次々と開発してゆくのです。

戦後、他社よりも先に生産工場の再稼動に着手し、経営の近代化を進めます。戦時中に工場を都内から長野県に疎開させていたため、工場が戦火で壊滅することは免れました。長野県の2工場(伊那、諏訪)に疎開させていた顕微鏡やカメラの資材・冶工具を使って生産を再開します。また、戦後まもなく東大病院医師から相談を受け、「胃カメラ」の開発にも着手しました。その後、創業の地、渋谷区幡ヶ谷に本社を構え、1949年には「オリンパス光学工業株式会社」に社名を変更します。

高度成長期の1960年代、オリンパスは輸出の増進、技術の結集、経営の近代化を目標に掲げ、著しい成長を遂げます。顕微鏡、カメラの2大事業をさらに拡大させるために、専門の事業部制を敷きました。また、開発から販売までの一貫管理するために顕微鏡とカメラの工場をそれぞれ分離します。

1970年代以降は海外販売拠点の拡充に乗り出し、輸出を拡大させます。また、顕微鏡、カメラ、医療の3事業に続く柱として、新たに分析機市場にも参入します。1990年代後半にデジタルカメラ市場に参入し、最盛期には3000億円超の売り上げ規模になるなど一時代を画しました。2003年に現在の「オリンパス株式会社」へと変わりました。

ここまでの沿革をみていると、戦争での損失はあったものの、海外進出などの時代を読む力や高い技術力のおかげで、実に順風満帆な歴史だと思います。しかし、2011年には損失計上の先送りが発覚し、元社長を中心に刑事責任を問われるという事件が起こります。過去十数年にわたる巨額の損失隠しが発覚するのです。

これは「オリンパス事件」と呼ばれています。オリンパスが巨額の損失を10年以上の長期にわたって隠し続けた末に、負債を粉飾決算で処理したという悪質な事件です。これによりオリンパスの株価も急落し、会長らは辞任します。

経営の刷新がせまられたオリンパスは、事件に関わった経営陣を一掃。新経営陣は「新しいオリンパス創世に向けたビジョン」を発表し、信頼回復に全力を尽くします。以降、医療をコア事業と位置づけ、消化器、外科両分野での主力製品の市場投入、長野県にも修理サービス拠点を設立、相次ぐ医療機器生産工場の新棟建設計画など、医療分野への経営資源投入を続けています。直近の活動内容としては、2017年2月にテルモとの資本提携を解消することを発表しました。

 

強み

オリンパスの事業内容は、医療分野・科学分野・映像分野における精密機器の製造・販売です。

2015年3月期では、オリンパスグループ全体の事業売上が医療で73%・科学で約14%・映像で11%となりました。医療分野では、特に内視鏡部門でトップシェアを誇っている他、映像(カメラ)部門では業界第3位、ICレコーダーでは日本国外では70%以上・国内では約50%となっています。

オリンパスの強みは、創業以来より培ってきた光学技術を活かした科学事業に、常に最先端を模索している電子映像技術を用いた映像事業、そして世界トップシェアを誇る医療事業の3つのテクノロジーを持っているところにあります。

 

社内からの評価は?

オリンパスの採用面における口コミ・評判はどうなっているのでしょうか?実際に、オリンパスで働いた経験を持つ社員の投稿から検証してみました。

オリンパスの「研修制度」に関しては、新卒社員向けの内容は充実しており、現地でも安心して業務をスタートできるようです。だたし、中途採用者への研修に関しては整っていないようで、実際に現地で学ぶシステムとなっているようです。そのため、中途採用で入った社員からは不満の声が上がっていました。

次に「昇格」に関する分析です。昇格には格差を感じている人が多く、中途採用で文系出身の場合、新卒の理系出身者と比較しても昇格が厳しいという現実があるようです。また、業務内容でも比較されることがあり、「オリンパスの主軸である内視鏡開発は優遇され、次いで営業部門、サービス部門という順番で優遇される印象がある」と答えている社員がいました。

「残業」に関する投稿では、配属された部署にもよりますが、基本的には残業した分の手当ては支払われているようです。最近では、業務の効率化がなされるようになってきた為、残業もほとんどせず定時に退社できている社員もいました。そのため、「プライベートの時間も充実されることができる」と満足の声も見受けられました。

常に清掃がなされているので、「オフィス環境」は概ね高評価です。オフィス内は常に清潔感があり落ち着いて業務ができると評価が高かったです。

オリンパスの「福利厚生」として、保育園費用・英会話教室の受講費用の補てんなど、個人のニーズに合わせて自由に選択できるシステムになっているようです。また、英語検定・簿記・秘書検定・知的財産管理技能士などの資格を取得した際には、会社から報奨金が支払われるとのことです。また、オリンパスでは社宅も完備されているようですが、これに関しては「特別家賃が安いわけではないようで効果的とは言えない」と、評価が低い投稿もありました。

また、「女性社員への優遇」は薄いようで、結婚して出産するとサポート役へとまわされる他、育児休暇制度への配慮も少ないとのことで離職率が高いようです。このように、福利厚生面に関しては、社員によって評価が二分している傾向にあり、自分のニーズに合った福利厚生がある社員からは高い評価がされていますが、ニーズに適さない社員からは評価が低くなっています。

「給与面」での評価では、内視鏡ビジネスが好調であることから毎年収益を上げることができており、年収は業界の中では他社よりも高い傾向にあるようです。ただし、毎月の給与が高いというよりはボーナス重視の様です。

 

商品への揺るぎない信頼

前述のとおり、2011年にオリンパスの信じがたい不正が発覚します。その影響で一時は経営が傾いたものの、新経営陣により再び安定した経営を行っています。オリンパスが安定している理由の一つに「商品の品質の良さ」があります。

では実際にオリンパスの商品を使用している消費者の口コミ・評判から、商品の良さについて調べてみたいと思います。

日本の最先端技術を紹介するサイトにおいて、オリンパスの内視鏡の紹介がされていました。そこで紹介されていたのは、先端にCCDイメージセンサーを搭載しモニター画面で映像を見ながら治療が行える「ビデオスコープシステム」と呼ばれる内視鏡でした。

内視鏡スコープの先端には、CCD・レンズ・ライトが搭載されている他、処置器具を挿入できるチャネルという穴が貫通しており、その穴から体液などを吸引することも可能となっています。この内視鏡を使った最先端手術が「ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)」と呼ばれる方法で、がんを切らずに治癒させることができることから、早期がんの治療で高い効果を発揮しています。

内視鏡の先端を曲げる仕組みというのは、管に埋め込まれたワイヤを引っ張るだけの意外とシンプルなシステムですが、内視鏡の技術はオリンパスが数多く特許を取得しているといいます。内視鏡を扱う医師は、挿入したときの滑り具合や力を加えた時のしなり加減など、機器の微妙な操作性に強いこだわりがあるといい、特にオリンパスの内視鏡に関しては高い評価をしている医師が多かったです。

例えば、ビデオスコープの技術に関しては、オリンパスよりもアメリカのメーカーが先行していましたが、そのモニタの画質が悪く、わずかな病変を見抜くまでには至りませんでした。しかし、後発のオリンパスは鮮明な画質にこだわり、医師の求めるニーズにきちんと対応することができたのです。これによって、医療部門で世界でもトップクラスのシェアを誇ることができ、現在でもとの地位は変わっていません。

オリンパスの内視鏡技術の礎となったのは、1940年代後半に東大病院の医師からの依頼で開発された、1つの胃カメラです。その胃カメラには、数cmの先端部分にレンズ・フラッシュ・フィルムが搭載されたもので、カメラ機能の全てがこの中に集約されています。

オリンパスは、終戦間もない時期にもかかわらず、すでにここまでの技術を持っていたことになります。以来、現在に至るまで60年以上に渡って研究・開発を繰り返してきた歴史があり、その間に培ってきたノウハウの積み重ねが、高度な消化器内視鏡を開発させることができたわけです。

また、その知識・技術は医師との強い信頼関係を築き上げることができ、機器のメンテナンスなどトータルでサポートすることができています。こうしたサービスが、オリンパスの評価を高くしている理由なのだと感じました。

 

まとめ

オリンパス株式会社に関する口コミ・評判に関しては、実際に働いた経験のある社員からは、労働時間や残業、給与やボーナスに関して高い評価をしている人が多く見受けられました。

一方で、医療部門でトップシェアを誇っていることから社員も理系出身者を優遇する傾向にあるようで、中途採用の文系出身者は肩身の狭い思いをしているようです。また、男性中心の風土があるようで、女性社員が出産するとサポート役にまわされる傾向にあるため、離職率が高いと回答している人もいました。

オリンパスの製品で特に注目を置かれている内視鏡に関しては、それを扱う医師からの細かい要求にも対応できているとして高い評価を得ており、それは日本のみならず世界から評価されている点です。特に、消化器内視鏡では、早期がんを切らずに治すことができる為、患者さんへの負担が少なく治癒率も高いと高評価を受けています。

こうした最先端医療機器を開発できるのも、創業以来60年以上に渡って積み上げてきた努力や研究の成果でもあり、その間に培ってきたノウハウを機器のメンテナンスやサポートにも活かしトータルケアすることで、オリンパス製の医療機器を導入している医師との信頼関係構築にも繋がっているのです。